夫婦で打楽器プレイヤー

演奏会雑記 『ドイツ旅行記』

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ドイツ旅行記 【 第1章 】名古屋空港までの遠い道のり

9月 11日 ~ 12日

9月11日・・・
忘れもしない。あの日。
東海地方を襲った豪雨。一晩の間に年間降水量の約半分が降り、名古屋市は一瞬にして水没。
そう。次の日が記念すべきドイツ演奏旅行の旅立ちの日だというのに・・・



9月11日。
午後2時頃から雨が酷くなって来る。
「あ~ぁ。明日はドイツへ行くのに・・・ツイてないな。」などと思いながら仕事を進める。
この仕事を終わらせておかなければドイツへ行きづらい。っていうか、行かせてもらえないだろう。
まあ、今晩中には終わると思うが。

午後3時。
事務所内が急に騒がしくなってくる。
「なにぃ!桑部工場が水没!?」「車が浮いて流れているってぇ!」
主任の言葉に少し焦りの色が。
ちょっとぉ。あねごの実家は大丈夫か?(実家は桑部にある)
てーか、今日あねごは帰って来れるのか?(彼女は名古屋に勤めている)
さっそく携帯からメールを送ってみる。 だんな:「そっちはどう?こっちはエライ事になってるぞ」
あねご:「う~ん。さっきから新幹線が止まって動いてないの」
どうやら東海道新幹線は運休になったらしい。関西線は大丈夫なのか?近鉄線は?
そうこうしている間も雨は一段と酷くなる。
すぐ前の工場(約10m先)も見えなくなるぐらい凄い雨。
定時になる頃には、工場のあちこちで水没状態。
けど、仕事が終わらないので帰れない。
帰りたいけど帰れない・・・
ふと、家の事が気になる。
「家って堤防の近くだよなぁ。大丈夫かなぁ。沈んでいたらシャレにならんなぁ。」
かなりヤバイ状態なのに人事のように考えている自分って・・・

午後8時。
なんとか仕事が終わり帰宅しようと思ったが、あねごの実家が心配なので帰りがてら様子を見に行く。
どうやら水没はしなかったが、植木鉢やタイヤなどが流れてしまったらしい。
ちなみにタイヤはウチの物。3本は発見できたが、1本発見できず。
3本のタイヤで何をしろと・・・洪水による工藤家の被害はタイヤ1本である。トホホ。

自宅に戻ってみる。家の被害はゼロであった。
しかし、あねごは帰らず・・・
携帯へ連絡してみるが、なかなか繋がらない。
災害に弱いぞ!携帯電話!などと文句を言いながら何回かチャレンジ。
ようやく繋がり、どうするか検討する。
あねご:「電車が完全にストップしていて帰れない。」
だんな:「明日は大丈夫かなぁ?」
あねご:「多分、明日も電車と高速道路は無理じゃない?今晩、車で出発しようか。」
だんな:「それがいいかもな。じゃ、名古屋駅に迎えにいくよ。どうせ帰って来れないだろ?」
あねごの絶妙な勘が働いて、前日に準備は全て終わらせていたのが幸いした。荷物を車に積んで、いざ出発。

午後11時。
相変わらず雨は激しい。
国道1号線を走ってみたが、渋滞が酷い。名古屋まで何時間掛かるだろうか・・・
諦めてノロノロ運転に身を任せる。
国道1号線の渋滞を抜け、裏道を走って行ったが所々道路が冠水している場所があり
「んがー!沈むぅ~!止まるぅ~!」
などと一人虚しく叫びながら孤独に耐え運転を続ける。

午前2時頃、ようやく名古屋駅に到着した。(本当に、”もうダメだ!”と思う瞬間もあった)
あねごを乗せ名古屋空港へ向かう。
名古屋市内は完全に冠水している所が何箇所もあり、一般道は無理だろうと言う事で名古屋高速を使うことにした。(名古屋高速は通行可能だった)
名駅インターから乗り、楠インターを目指す。
途中、「楠インター渋滞2キロ」の表示があるが、2キロなら大した渋滞じゃないと判断し、そのまま渋滞に突入する。
が、楠インターまであと数キロという所で流れは完全にストップ。
そのまま3時間半ぐらい足止めを食らう。
雨の降りも次第に穏やかになり、辺りが明るくなってくる頃、高速の下が騒がしい事に気が付く。
散歩(?)がてら外の様子をうかがう事に。(注意:高速道路上を歩き回ってはいけません)
そこで見た光景とは!?
堤防が決壊している!!!

写真1
手前の車が沈むくらいの水量らしい。

写真2
奥の川原にはゴルフの練習場があった。

写真3
完全に堤防が決壊している。

写真4
かなりの水が町に流れ込んでいる。

ゴウゴウと音を立てて町に流れ込む水は「悪夢」としか言い様がありません。
「これじゃぁ高速を下りれない訳だ・・・」
妙な納得をしたが、飛行機は飛ぶのか?という不安も。
早速、小嶋さんに連絡をしてみる。
だんな:「今日って飛行機飛ぶんですか?」
小嶋さん:「うん。定刻通り飛ぶらしいよ。で、今どこ?」
だんな:「名古屋高速の楠インター付近です。ちなみに徹夜でここまでたどり着きました。」
小嶋さん:「うわはぁ!大変でしたねぇ。お疲れ様です!」
などと、なごやかな話をしていたが事態は深刻。
集合時間までに間に合うか?
焦っても直線駐車場と化した高速道路は動きません。
しばらくすると事態は好転。
道路公団の車が「勝川インターは下りれます!」というアナウンスを流していました。
よっしゃ!勝川で下りれば名古屋空港に行ける!
ソッコーで勝川インターを目指しました。
インターを下りて約1時間ぐらい掛かりましたが、なんとか集合時間に間に合いました。
「普段の行いが良いからだな!」などと戯言を言いながら集合場所へ向かう。
(じゃ、この大雨はどうなの?とは言わない約束・・・)

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